この日は、ライブ三昧。
その前に、朝、早起きして、2ヶ月ぶりに美容院に行く。髪を短くカットして、ブリーチもした。かなりのイメチェンだ。そして、帰宅後、ライブに出かける時間まで2時間の仮眠。
みなさんは、内田聖治さんというボーカリストはご存じないだろう。『大都会』のヒット曲を持つクリスタルキングの田中さんが抜けた後の2代目ボーカルで、現在はソロで活動している人だ。
非常に気の合う友人なのだが、彼に誘われて、六本木のバーに、彼のライブを観に行ってきた。僕たちメンバーは4人で、全員がライター、もしくは元編集者という顔見知りの同業者だ。
はっきり断言する。内田さんは、国内随一のシンガーだ。もちろん、彼と同レベルのシンガーは何百人、いや、何千人もいるかもしれないが、彼の歌声は人間の限界ともいえる最高レベルに到達している、文句なしの超実力派シンガーだ。ジャーニーの元ボーカルで、『セパレイト・ウェイズ』『オープン・アームズ』『オー・シェリー』などの大ヒット曲を持つスティーブ・ペリーのような高音も歌える、そして、彼以上に声量のあるハスキーな声の持ち主。
スティーブ・ペリーが登場した時には、「10年に1人の逸材」とまで言われたのだから、内田さんが、いかに素晴らしいシンガーかがお分かりいただけると思う。英語の発音は、黒人のソウルミュージシャンに近い。目をつぶって聞いていると、黒人が歌っているような錯覚を覚える。
こんな凄い人と、昨年の夏に友人になれたのはなんともラッキーな話だが、その彼の歌声を間近で聞ける幸せ。また、彼の凄いところは、持ち歌の多さ。大抵のリクエストには応えてくれる。
その日、僕たちの中にライターのOさんがいた。彼女はロッド・スチュアートの大ファン。リクエストしたら、『セイリング』を歌ってくれた。しかも、ロッド・スチュアートそっくりの歌声で。鳥肌が立った。リクエストしたOさんは、もう、目がウルウル状態。
ちなみに、ジャーニーの大ファンの僕は『オープン・アームズ』をリクエストしたが、アンコールで歌ってくれるという粋な演出を見せてくれた内田さん。
そんな日本一のシンガーである内田さんのライブが終わり、その後、お酒を飲みながらしばし談笑。まだ、時間は9時だったので、そのまま4人で、以前、このブログでも書いたABBEY ROADへ、これまた、ビートルズのコピーバンドとしては世界クラスのパロッツの演奏を観に行く。
席に案内された時、目の前に、ある大物ミュージシャンそっくりの外国人が座っていた。僕達4人は、全員、ある名前が浮かんでいたが、「いくら、ABBEY ROADが外国人タレントの出没ポイントとはいえ、まさかな」と、そのときには誰も声にはしなかった。
そして、パロッツの演奏が終わると、通常ならば、そのまま控え室に直行する彼らだが、その外国人が、彼らを呼び寄せる。呼び寄せられたパロッツは、その外国人を囲むように記念写真に応じる。というよりも、パロッツが記念写真を撮ってもらっている、という雰囲気。
ここでも、僕達は、その外国人の名前を頭に思い浮かべながらも「まさかな」と思っていたが、いずれにせよ、相当な大物であることには違いない。
そして、写真撮影が終わると、彼は店を去ろうとしたが、そのとき、その様子が見られる位置に座っていたお客さんはスタンディングオベーション。2人のSPに警護されながら店を去る彼を見て、「これはひょっとしたらひょっとするぞ」と思い始める。
そして、僕達の中の1人が、店員に謎の大物外国人の正体を聞きに行ったら・・・
なんと! 武道館公演のために来日したスティングだった!
腰が抜けた。僕たちの目の前で、ずっとスティングが酒を飲み、パロッツの演奏を聴いていたのだ!
それがわかっていれば、記念撮影は無理でも、握手くらい求めたところだが(多分、SPに止められて、それもできなかっただろうが)、まさか、本物のスティングが目の前で酒を飲んでいるとは誰も思わない。後の祭りである。
もし、今度みなさんがABBEY ROADに行って、パロッツがスティングと記念撮影をしている写真を見たら、写真には当然僕たちは写っていないが、そのすぐ横にいた僕たちの事を思い浮かべて欲しい(笑)
その後のステージで、パロッツは、「さっきまでのステージは本当に緊張した。内臓が飛び出そうだった」とMCで語っていたが、それも当然だろう。ちなみに、かのスティングは、以前、モンセラット島チャリティコンサートで、ポール・マッカートニーとエルトン・ジョンの二人のピアノの伴奏で『HEY JUDE』を歌うという幸運を体験している。
そのときの彼は、緊張と、あまりの感慨で、大物ミュージシャンとは思えない、純粋な子どものような瞳で歌っていたことを思い出す。
あり得ない話だが、もし、本物のポール・マッカートニーがABBEY ROADにパロッツの演奏を聴きに来たらどうなるだろう・・・。パロッツも店の客も、全員、失禁してしまうだろうな、なんて想像をしてしまう。
その後、僕はあまり好きではないが、一風変わったクラブ(踊る方の「クラブ」です)に他の3人を連れて行ったら、くだんの内田さんが歌ってくれたロッド・スチュアートのナンバーで瞳ウルウルだったOさんが、スティングと握手しそびれた悔しさを紛らわすためか、1人、そのクラブに残り、始発まで踊っていたそうだ。前から思ってはいたが、パワフルな女性だ(笑)
とにかく、いい意味で疲れた1日だった。僕は、この日を生涯忘れない。
不死鳥ドットコム
大村あつしの ボクは不死鳥