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オペラ座の怪人、涙

 劇団四季のオペラ座の怪人を見に行った。劇場は汐留の「海」。この劇場は、コケラ落とし公演の「マンマミーア」を見に行って以来だ。

 泣いた。素晴らしかった。20代のとき、新橋演舞場ではじめて見た時、正直、今ひとつわからなかった。何がわからないのかもわからなかった。しかし、弟に、「見るたびに新しい発見がある」と言われ、足しげく、静岡から東京に通ったものだ。

 2回目に見たときに、その楽曲の素晴らしさに胸を打たれた。

 3回目で、やっとストーリーが理解できた。というよりも、細かな伏線や仕掛けにまで気が配れるようになった。その瞬間に、オペラ座の怪人フリークとなった。

 そうして何回か見たが、その後、オペラ座の怪人は地方公演に出てしまった。今度はいつ見られるだろう、と思っていたら、なんと、2002年には静岡に来てくれた。このときは4回見に行った。

 そして、このたびの東京公演だ。

 正直、「海」は小さい。新橋演舞場のような圧倒的な迫力はない。しかし、静岡の時はカラオケだったが、今回は生オーケストラだ。やっぱり生はいい。それに、シャンデリアが落下する非常に重要なシーンも、静岡では再現できなかったが、「海」は劇団四季の専用劇場であるため、小さいながらも再現してくれていた。

 今回は、クリスティーヌ役が大当たり。佐渡寧子さんは、今まで見た中で最高のクリスティーヌだった。

 ボクは、オペラ座の怪人のCDを、初回メンバーバージョン、ロングランバージョンなど英語とスペイン語もあわせると5セット持っているが、やはり最高なのは、初代ファントムの市村正親さんだろう。

 この初回公演を見逃したのは残念でならない。

 ボクは、CDを聴くたびに「市村さんは初代ファントムを演じただけでもこの世に生を受けてきた意味がある」と本気で思ってしまう。とにかく、それくらい彼のファントムは素晴らしい。

 ボクも、「この作品を書いただけでも大村はこの世に生を受けてきた意味がある」。そう言われる作品を世に残したい。

 汐留からの帰り道、地下鉄の中でそう思った。
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