24才の夏。
友達と砂浜で、一生懸命数式を書きながら、
「おい、この方法なら絶対にルーレットに勝つよ。俺達、仕事なんかしなくても大金持ちだよ」
なんて、本気で盛り上がったのですが、水着から洋服に着替えて帰路につく車中、助手席で必死に数式を書いていた友人が言いました。
「おい、大村。さっきの方法だけど、結局期待値は0なんじゃない?」
その走り書きを見て、しばらく考え込んだ僕は、思わず叫びました。
「げ! そうだ! 冷静に考えると確かにそうだ! あんな馬鹿な事を考える暇があったら、もっと波と戯れるべきだった!」
鋭い方はすでにお気づきだと思いますが、では種明かしをしましょう。
僕の方法で勝負をしたときにいくら儲けることができるのか、その平均を考えます。この場合の平均とは、負けることも想定した儲けの平均です。
確率論的に、このようにして算出する平均を「期待値」といいます。
確かに、ひたすら「赤」に賭け続けることによって、1024分の1023の確率で1万円儲けることができます。しかし、1024分の1の確率で1023万円(全財産)損することになりますから、
「1×1023/1024-1023×1/1024」
つまり期待値は「0」になるわけです。
これでは、1023万円すべてを一発勝負した場合でも一緒ですね。
確かに、一回一回の勝負にフォーカスを当てると、この方法だと必ず勝てそうな気がします。
しかし、1023万円を倍にするためには、連続で1023回勝ち続けなければならないのです。
それまでに、一度でも、
「10回連続黒が出続ければ、すなわち1024分の1の確率に当たれば」
終了です。
これが、どれほど現実味のあることかかわかるでしょうか?
たとえば、1024分の1という当たるはずのないような確率の宝くじでも、
「1023回引けば当たるかも」
と思いませんか?
事実、「1024分の1の宝くじ」を1023回引いて、すべて外れる確率は、
「(1023/1024)^1023」
すなわち、およそ37%しかありません。
言い換えれば、63%の確率で当たります。
さて、話を元に戻しますが、二度勝負をしたときの期待値を出してみましょう。
二度とも勝つ確率は「(1023/1024)^2」
二度目で負ける確率は「1023/1024×1/1024」
このとき、一度目で1万円儲けていますから、1022万円損することになります。
そして一度目ですでに負けている確率は「1/1024」ですから、期待値は
「2×(1023/1024)^2-1022×(1023/1024)×(1/1024)-1023×1/1024」
計算するとやっぱり「0」になります。
これは何回やっても同じことで、常に損得の平均は「0」になるのです。
何回やっても儲けも損も計算できない。
これは勝ち負けが平等であることを表していて、すなわち必ず勝てるわけではないということです。
それに、1万円ずつ小銭を稼ぐ(1023万円も持っている人にとっては1万円は小銭でしょう)方法として、これまでご紹介してきた方法は確かに有効なのですが、ボクの方法で勝負していたら、一発でカジノから追い出されます(^_^;)
もしくは、簡単に見破られて、ディーラーは恣意的に、連続10回、「黒」に玉を入れて、身包みはがしにくるでしょう。カジノは、そんなに甘い世界ではありません。
ブラックジャックの必勝法とも言うべき「ナンバーカウンティング」をするだけで追い出されます。
確率が得意な方には当たり前、僕のような数学全般が苦手な方には多少手ごたえのある話だったと思いますが、僕は勝手に、この理論を
「ルーレット・パラドックス」
と名付けています。
ということで、今度は、「バースデイ・パラドックス」のお話をしたいと思います。
これも、目からウロコですよ。
まあ、いずれにせよ、勘だけが頼りの勝負事に、有利も不利もなければ、「絶対」もないことがおわかりいただけたでしょうか。
ということで・・・
「さーて、今日も仕事、仕事」
⇒ 人気blogランキング 今の順位は?
⇒ 経済ブログランキング 今の順位は?
---------------------------------------------------
さて、お読みくださった方から、「人生観が変わった」とまで大好評を博しました
『サラリーマンの給料はなぜ生活費に消えてしまうのか?
~ 義務教育がひた隠す目からウロコの危険な経済学 ~』
をご覧になりたい方は、以下をクリックしてください。
⇒ 第一話