バースデイ・パラドックス
さて、先日の ルーレット・パラドックス が好評だったので、調子に乗って(笑)、今回は、「バースデイ・パラドックス」のお話です。
あと1週間でクリスマス・イブからはや1ヶ月。1年でもっとも華やかな日からすでに3週間が過ぎた。
ボクは、イブとか元旦とかを迎えるたびに、
「こんな華やかな日やめでたい日に生まれた人が当たり前だけどいるんだよな」
と思う。
ちなみに、目の前の人が12月24日に生まれた確率は365分の1である。
同様に、目の前の人が自分と同じ誕生日である確率も365分の1。
ところが、この誕生日にまつわる面白いパラドックスがある。というか、厳密にはパラドックスではないのだが・・・。
では、40人の集団を仮定しよう。
そして、この集団の中で、
「誰かと誰かが同じ誕生日である確率」
ははたしてどれくらいか。
1年は365日あるので、365分の40ぐらいというのが直感的な数字ではないだろうか。
要するに、40人の集団で「誰かと誰かが同じ誕生日」だなんて、「凄い偶然じゃん」ということになるわけだが、確率論的に言うとそうではない。
以下、簡単に説明しよう。
Aさんの誕生日を任意の1日とする。
すると、BさんがAさんと同じ誕生日でない確率は365分の364。
Cさんが、AさんともBさんとも同じ誕生日でない確率は365分の363。
したがって、40人全員が違う誕生日である確率は、
(364/365)×(363/365)×・・・((365-n+1)/365)
で、nは当然40だが、この計算結果は10.88%となる。
言い換えれば、
「誰かと誰かが同じ誕生日である確率」は何と89%!
要するに、40人の集団ならば、誰かと誰かの誕生日は同じで当たり前なのだ。
にわかには信じられないかもしれないが、確率論的に言うとこうなる。
もしExcelをお持ちなら、早速Excelで計算してみてほしい。
そして、この結果を自分の目で確かめていただきたい。
もっとも、「確率論的には89%」と言われても、やはり「そんな馬鹿な」という気がしないでもない。
だからこそ、この「誰かと誰かが同じ誕生日である確率」のことを「バースデイ・パラドックス」と言うわけだ。
あれは5年ほど前のことだろうか。
ボクの絵本、『クワガタと少年』を、俺の教え子が読んで涙を流していたよと、教師をしている友人が電話をくれた。
そして、「凄い偶然なんだけど、その子と俺、誕生日が同じなんだよね」と言っていた。
確かに、それは「凄い偶然」だ。
365分の1だ。
しかし、その後の一言を聞いて唖然。
「大村、誕生日で思い出したんだけど、俺、教師を15年やっているけど、毎年、クラスの中に同じ誕生日の子がいるんだよ。なあ、大村、俺って凄いと思わない?俺ってひょっとしてグレート?」
かわいそうだが、僕の友人はグレートでも何でもない。
89%の確率でそのようなことが起きうるのだから、逆に、
「15年教師をやっているけど、クラスの中で同じ誕生日の子がいたなんてことは一度もないよ」
と言われたほうがグレートである。
と、一度はそう思ったが、冷静に考えると、やはりその友人はグレートだ。
なぜって?
なぜなら、その友人の職業は「数学の教師」。
40人のクラスで同じ誕生日の教え子がいる確率が極めて高いことを知らずに15年も数学の教師が務まってしまう確率を知りたいものだ。
この現実のほうが奇跡でありパラドックスである。
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コメント
89%というのはあくまで40人のクラスで「誰かと誰か」が同じ誕生日になる確率であって、一人の人間を基準にして40人のクラス内で「自分と誰か」が同じ誕生日である確率はやはり365/40ではないでしょうか。
毎年クラスが変わるとしたらそれが15回も連続しているわけで、十分「グレート」な確率な気がしますが…
投稿者: snlh | 2007年02月22日 11:27
「大村、誕生日で思い出したんだけど、俺、教師を15年やっているけど、毎年、クラスの中に同じ誕生日の子がいるんだよ」
これは、
「毎年、クラスの中で、誰かと誰かが同じ誕生日なんだよ」
の意味です。
ですから、確率はあくまでも89%ですよ(*^^*)
投稿者: 大村あつし | 2007年02月23日 04:21