「篤」が「あつし」に変わるまで(2)
主要登場人物・団体
●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
Episode 2
- ストレス地獄 -
実際、キーボード上で四方八方に人差し指を動かしながら文字を探しているその人の姿を見て、
「おいおい、それじゃぁ、ほとんど百人一首の札取りだ」
と心の中でつぶやくほど、僕のストレスは絶頂に達していた。
「もうシステム開発からは身を引こう」
「いや、いっそうのことコンピュータ業界からは足を洗おう」
「以前、数ヶ月間アルバイトでやっていた通訳にでもなるか?真剣に勉強すれば、通訳でも食べていけるだろう」
そう。
当時の僕は、お世辞にも上手とはいえないが、TOEICのスコアで800点。
念のために辞書さえ持参しておけば、限られたテーマであれば十分に通訳が務まるだけの英語力は身に付けていた。
もっとも、英語は単なるツール(道具)。
本当にプロフェッショナルと呼べるだけの通訳になるためには、地理や歴史、経済、文化など、幅広い知識や見識が要求されることもわかってはいた。
それだけに、一瞬でも「通訳になろう」なんて思った自分を自嘲する自分。
それでいて、では何をどうしたらこの「ストレス地獄」から抜け出せるのか、そのソリューション(解決法)を見つけ出せない自分。
「ストレス地獄から抜け出せないストレス」が、さらにストレスに拍車をかける。
今でも「悪循環」という言葉を聞くと、当時の自分を思い出す。
しかし、そんな僕の運命は、その数分後に劇的に変わり始めることになる。
「通訳になろう」なんて、できもしない考えが頭をよぎったその直後から・・・。
娘が学校へ行った! 奇跡の作品、「クワガタと少年」 現在、静かに、しかし力強く人から人へと伝えられている作品です。 みなさまにも読んでいただきたい心温まる掌編です(掌編=超短編) |
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