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「篤」が「あつし」に変わるまで(18)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●福島一郎・・・品川出版(株)の社長。実在する人物だが仮名。
●品川出版(株)・・・在京の出版社。実在する会社だが仮名。

Episode 18

- 福島社長との最後の会話 -

前回、私は、「神にもすがる気持ちで福島社長からの報告を待つ日々を送ることになる」と書いた。

「日々」
複数形である。

したがって、この表現自体は誤りではないが、社会通念上「日々」といったら、1ヶ月とか1年間ぐらいのスパンを指すものと思われる。
しかし、福島社長からは3日後に連絡が来た。

結果は「全滅」。
どこの出版社も僕の原稿を本にはしてくれない、ということだ。

念のために、どこの出版社に僕の原稿を持ち込んでくれたのか聞いてみたが、挙がった名前は3社。

1社は、誰でも知っている大手出版社だが、少年漫画の週刊誌を手がけている、どう考えてもコンピュータの書籍を出版するとは思えない出版社。

あとの2社にいたっては、聞いたこともない出版社であった。

「ひょっとして、まさかこれで終わりじゃありませんよね。まだ、他の出版社にも営業していただけるんですよね」

「いえ、これでおしまいです。私の経験では、3社回って駄目な場合、どうやっても本にはなりませんよ」

そんな馬鹿な・・・。
僕の本を出版してくれるんじゃなかったのか・・・。
3社回ったって言うが、どのような営業をしたのか・・・。

待てよ。
考えてみると、福島社長には企画書は渡していないはずだ。

ひょっとすると、膨大な僕の原稿を持って、

「この原稿を読んでください」

そんな営業をしたのではないか・・・

いくら何でもそれはない。
素人考えだが、まずは企画書なり、その原稿を書いた人物のプロフィールを紹介するのが「売り込み」というものではないのか・・・。

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