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「篤」が「あつし」に変わるまで(19)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●福島一郎・・・品川出版(株)の社長。実在する人物だが仮名。
●品川出版(株)・・・在京の出版社。実在する会社だが仮名。

Episode 19

- 福島社長との最後の会話 -

「この原稿を読んでください」

そんな営業で本が出版できるわけがない。

「福島社長。お手数ですが、原稿の内容をコンパクトにまとめた企画書と私のプロフィールをすぐに作ってお送りしますので、もう一度アタックしてみていただけますか」

「いや、それはできません。頂いた30万円分の営業はもうしましたので、もう私の仕事はこれでおしまいです。それに、先ほども申し上げましたが、3社回って駄目なものは駄目。潔くあきらめてください」

30万円で3社。
成功しようがしなかろうが1社10万円。
ぼろい商売だ・・・。
これじゃ・・・、詐欺だ・・・。

脳天をハンマーで殴られたような衝撃、とはまさしくこのようなショック状態を指して言うものだろう。
僕は、このとき自分が八方ふさがりの状況に追い込まれたことを痛感した。

終わった。
すべてが終わった。
この数ヶ月の努力も、自分の本が出版されるというささやかな夢も、すべてが砕け散った。

僕は、放心状態のまま受話器を置いた。

この日の電話が、福島社長との最後の会話となった。

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今、静かに、しかし、力強く、人から人へと伝えられている作品

掌に乗るような、心温まる短編


娘が学校へ行った! 奇跡の作品、「クワガタと少年」


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