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「篤」が「あつし」に変わるまで(20)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●福島一郎・・・品川出版(株)の社長。実在する人物だが仮名。
●品川出版(株)・・・在京の出版社。実在する会社だが仮名。
●宮城社長・・・私が経営していた会社の主要取引先の社長。実在する人物だが仮名。
●秋田・・・ジャーナリスト。実在する人物だが仮名。

Episode 20

- ジャーナリスト、秋田さん -

本になるはずの原稿が、ただの紙くずになってしまった。
僕がその後、しばらく放心の日々を過ごしたのは言うまでもない。
信じていただけに、その分落胆もまた大きなものだった。

しかし、いつまでもくよくよしていても仕方がない。
早く気持ちの整理をつけなければ。
早くこの無念をふっ切らなければ。

そして僕は、事の顛末を、僕が福島社長を知るきっかけとなった宮城社長にだけは報告しておこう。
そう考えた。

その報告で「けじめ」をつけて・・・

悲しいが、また開発の日々に戻ることにしよう。

「宮城社長、結局駄目でした、例の本の話」

「え?駄目だったの」

「はい。300ページ書いた原稿もパーです。でも、もう気持ちの整理もつきましたし・・・」

僕は何を言ってるんだ。

「気持ちの整理がついた」じゃなくて、「気持ちを整理する」ために、今僕はここにいるんだろう?

「うーん。パソコンのことは私はよくわからないけど、世の中『Windows95』『Windows95』って大騒ぎじゃない。何とかならないものかな・・・」

「・・・」

「あ、そうだ。私の知り合いに一人、ジャーナリストがいるよ。彼に相談してみよう」

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