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「篤」が「あつし」に変わるまで(21)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●宮城社長・・・私が経営していた会社の主要取引先の社長。実在する人物だが仮名。
●福島一郎・・・品川出版(株)の社長。実在する人物だが仮名。
●秋田・・・ジャーナリスト。実在する人物だが仮名。

Episode 21

- ジャーナリスト、秋田さん -

ジャーナリスト・・・
正直、気乗りはしなかった。
もう済んだ話である。
ジャーナリストに相談して、どうこうなる話とも思えない。
それに、また同じような惨めな思いはもうしたくない。

しかし、事のほか宮城社長は熱心であった。
福島社長を紹介した責任のようなものを感じているのかもしれない。

そして、その2日後に、僕はそのジャーナリスト、秋田さんに会うために、東京は茅場町に出向くこととなる。
とても「期待に胸を膨らませて」、という心情ではなかった。
宮城社長の紹介ということで、むしろ「仕方なく」という心情だった。

東京までの電車賃がもったいない。
こんな時間があったら、水泡に帰してしまったこの数ヶ月を取り戻すべく、早く仕事に専念したい。

そう思うのも無理からぬ話だろう。

だって、秋田さんは、「ライター」ではなく「ジャーナリスト」である。

しかも医療問題に熱心なジャーナリスト。

もちろんこれは後から知ったことだが、秋田さんはパソコンはおろか、ワープロさえ触ったことがない御仁だった。

そのようなジャーナリストに相談して、この現状が打開できるとはどうしても思えない。

東京へ向かう新幹線の中の僕の頭の中の悲観的な独り言。

そして、秋田さんとの面会。
今から思えば幸運。

しかし、そのときには「皮肉なことに」、秋田さんと出会うことによって、僕は再び過酷な運命にもてあそばれ始めることとなる。

そう、福島さんのときとは比較にならないほどの、僕の七転八倒の日々がまさしく始まろうとしていたわけだが、それはまたのお話。

⇒ 第22話へ



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