「篤」が「あつし」に変わるまで(24)
主要登場人物・団体
●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●品川出版(株)・・・在京の出版社。実在する会社だが仮名。
●秋田・・・ジャーナリスト。実在する人物だが仮名。
●青森・・・東新宿出版の編集長。実在する人物だが仮名。
●東新宿出版・・・新宿にある出版社。実在する会社だが仮名。
Episode 24
- 3,000冊を自腹購入!? -
僕の履歴書と本の企画書を読み終えた東新宿出版の青森編集長は「これが完成品ですか・・・」と原稿に目を落とした。
そして、僕が「はい、そうです」と答えるよりも早く信じがたい条件付きで出版を確約してくれた。
「5,000冊刷りましょう。その代わり、そのうち3,000冊は大村さんが購入してください」
「え!?」
「2,000冊は、うちが店頭で売りさばきます。ただ、最低3,000冊売れる保証がなければ、この企画に乗るのは少しリスクが大きすぎますから」
ちょ、ちょっと待ってよ。
定価が2,500円として・・・
3,000冊で・・・7,500,000円!?
反射的に暗算を終えた僕の頭が、悲鳴をあげろと命令を下す。
「7,500,000円じゃないですか!私にその金額を負担しろとおっしゃるんですか!それでは、自費出版と変わらないじゃないですか!」
「いえいえ、違います。きちんと東新宿出版として出版します。当然、書籍コードも取得して、全国の書店に並べます。それに、もちろん大村さんが個人で3,000冊所有していても仕方ありません。2,000冊はうちが売りますので、3,000冊を売りさばけるルートをご自分で開拓してください、ということです」
よほどの馬鹿でない限り、この時点で諦めるであろう。
しかし、僕はその「よほどの馬鹿」であったようだ。
「わかりました。すみませんが、1ヶ月お時間をいただけますか。心あたりを徹底的にあたってみます」
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