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2007年07月24日

「篤」が「あつし」に変わるまで(33)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●エーアイ出版・・・僕がデビューを果たした出版社。もちろん実在する。

Episode 33

- 友人たちの反応 -

『親友』たちは、いろいろな偉人の下積み時代の話をしてくれたり、いろいろな偉人の「名言」を持ち出してくれたり・・・

ちなみに、僕が現在、さまざまな「迷言」を生み出すのを趣味としているのは、このときの体験によるところが小さくない。

それでも、2週間まったくあがらないほど僕の腰は重かった。
仕事もせずに、ロールプレーイングゲームに興ずる毎日。

ただ、さすがにゲームも飽きてきた。
また、こんな怠惰な僕を励まし続けてくれる『親友』。

重かった腰も徐々に軽くなり、朝日の中で新鮮な空気を吸い込むたびに、再び、原稿を売り込む勇気が徐々に体内に注入され、そして充満していく。

もう少しだけ頑張ってみるか・・・

そして、悔し涙を流してから約1ヵ月後。

いよいよ僕は、エーアイ出版に

『Excelマクロで作る販売管理』

と題した原稿を持ち込むことになる。

その2ヵ月後に、今度は悔し涙ではなく嬉し涙を流すことになるとも知らずに。

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2007年07月19日

「篤」が「あつし」に変わるまで(32)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●エーアイ出版・・・僕がデビューを果たした出版社。もちろん実在する。

Episode 32

- 友人たちの反応 -

「ひどい事言うね~。それ、なんて出版社?」

「まぁ、本なんてそう簡単に出せるもんじゃないよ。『頑張った&頑張れ会』を開いてあげるから、本業のソフト開発でまた頑張んなよ!」

僕の愚痴を聞いた『友人』の反応である。

その一方で、

「馬鹿だね~。お前、始めから騙されてたんだよ」

「お前、本気で自分が本なんて書けると思っていたわけ?」

こんな反応をする『友人』もいた。

ただでさえ高ぶっている神経を逆なでするようなコメントだ。

また、

「駄目だよ、あきらめちゃ!まだ、全部の出版社を回ったわけじゃないんでしょう? あきらめるのは、日本中の出版社を回ってからにしなよ」

「あの原稿『いけてる』よ。チャンスはまだ途絶えてないよ」

と、励ましてくれた『親友』も何人かいた。

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2007年07月16日

リブロ汐留店、ありがとう!

2日前、打ち合わせで汐留に行った帰り、大手書店のリブロが目に入りました。

急いでいたので、そのまま通り過ごそうと思ったのですが、そのとき、驚愕の光景が目に入りました。

それが、下の写真です。
(ちなみに、店の外から撮影しています。リブロ汐留店はガラス張りなので)

libro.jpg

リブロさん、ありがとう!(T_T)

実は、約2週間、本当に『エブリ リトル シング』は、すべての書店から姿を消してしまったというくらい流通が追いついていなかったのですが、ここにきて、やっと、全国の書店に再び並び始めました。

その結果として、この豪華な陳列。
もう、嬉しい以外のなにものでもありません。

昨日、紀伊國屋の新宿東口本店と新宿南口店の様子も見に行ったのですが、どちらも話題書扱いで、4箇所6面展開。
これも嬉しかったですね。

こうなると、20万部を超えてくれると嬉しいのですが・・・

2007年07月13日

「篤」が「あつし」に変わるまで(31)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●エーアイ出版・・・僕がデビューを果たした出版社。もちろん実在する。

Episode 31

- 悔し涙 -

「いや、2~3日で結論は出ますよ。そうしたら、すぐに連絡します」

しかし、1週間待っても連絡が来ない。

業を煮やした僕が電話してみると・・・。

「すみません。あなたの企画、会議にかけるの忘れちゃいました。来週の会議にかけますから」

なんたることだ。
人間のすることだ。
忘れるのは仕方ないと思う。
しかし、物は言いようだろう。

「1回の会議では結論が出ませんでした。来週の会議でもう一度議題にあげますから」

嘘でも、このような伝え方をしてくれるのが「優しさ」ではあるまいか。

そして、信じがたい話だが、このやり取りが繰り返されること3回。
3週間以上待たされた挙句、この編集者は引き継ぎもせずにその出版社を辞職してしまった。

再度、一から別の編集者に説明を試みたが、

「うちは持ち込み企画はお断りしてますので。持ち込みで当たった試しがありませんから」

「でも、原稿は完成しているんですよ。それをお読みいただければ判断材料になるかと思うのですが・・・」

「いえいえ。『持ち込み企画』はあくまでも『持ち込み企画』。それに、こう言っては失礼ですが、完成した原稿を私が見てしまうと、ますます出版の可能性は低くなると思いますよ」

このとき、ついに僕は涙した。

原稿が完成してからすでに5ヶ月。

Excel VBAも徐々に世間の注目を集め始め、次々といろいろな書籍が世に出回り始めていた。

当然、僕の焦りも絶頂に達していた。

しかし、「コネがない」「実績がない」「どこの馬の骨かもわからない」。

この「ないないづくし」の三重苦を打破できない自分への苛立ちとあまりに無礼な編集者の対応。

子供の頃、骨折したときに痛くて泣いたことはあるが、そのとき以来の涙であろう。

また、生まれて初めての「悔し涙」であった。

そして、それまでは「本が出版されたら驚かせてやろう」とじっと自分の中にしまい込んでいた事の経緯や複雑な心境を初めていろいろな友人にを伝えることにした。

「話す」ことで、心がいくばくか軽くなると思ったのだ。

しかし、友人、正確には「友人だと思っていた知人」も含むが、彼らの反応は、それは実に様々であった。

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2007年07月11日

「篤」が「あつし」に変わるまで(30)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●エーアイ出版・・・僕がデビューを果たした出版社。もちろん実在する。

Episode 30

- 悔し涙 -

この物語りも、いよいよ終盤に差し掛かっている。

ご存知の方もいらっしゃると思うので結論を申し上げるが、『Excelマクロで作る販売管理』と題した僕の原稿は、最終的にはエーアイ出版より『Excel95で作るVBAアプリケーション -VBAで作る販売管理システム-』という絶妙のネーミングを頂いて、発売されることになる。

しかし、エーアイ出版にたどりつくまでに、僕は結局、門前払い同様の扱いを何回も受けることになる。

ただ、さすがに、僕の「門前払い」ストーリーも食傷気味の方が多いであろうと推察される。

そこで、1社だけ、今なお忘れることのできない「あの対応」を記すに留めたい。

-------------------
「うーん。何とも言えませんが、話しを聞く限り検討の余地はありますね。では、履歴書と企画書をFAXで送ってください」

言葉使いは丁寧だが、何ともとげとげしい話し方の某社の編集者・・・。

もっとも、何社も出版社を回ったり、また電話してみて、この程度の対応にはすっかり慣れてはいるが。

「はい。かしこまりました。それから、完成している原稿はいかがいたしましょうか?郵送いたしましょうか?」

時代は1996年の春。
まだまだE-Mailで原稿を送るなど一般化していない時代である。

「原稿?悪いけど読んでる暇はありませんね。企画書だけで結構です。それで売れる本になるかどうかわかりますから」

「はい。かしこまりました。ただ、一つだけお願いがございます。企画が通った場合はもちろんですが、落ちた場合でもご連絡をいただけますか? 結果がわかりませんと、『次のアクション』が起こせませんから」

「次のアクション」とは、言うまでもなく、別の出版社に間髪いれずに企画を持ち込むことである。かれこれ3ヶ月もこのようなやりとりをいろいろな出版社としていたため、ロスは限りなく少なくしたかった。いや、少なくしなければならなかったのだ。

「いや、2~3日で結論は出ますよ。そうしたら、すぐに連絡します」

しかし、1週間待っても連絡が来ない。

業を煮やした僕が電話してみると・・・。

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2007年07月09日

「篤」が「あつし」に変わるまで(29)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●山形・・・某専門学校の教師。貴重なアドバイスをくれた恩人。実在する人物だが仮名。
●東新宿出版・・・新宿にある出版社。実在する会社だが仮名。

Episode 29

- マイクロソフトとの交渉 -

今にして思えば、なんとも無茶な交渉だっただろう。

マイクロソフトに出向いたボクは、Excel VBAの本を出版するためには七百五十万円が必要であること。
そして、Excelはマイクロソフトの製品なのだから、その金額を負担して欲しいとマイクロソフトに願い出た。

本来なら門前払いされても仕方のない厚顔無恥な依頼である。

しかし、マイクロソフトの対応は本当に丁寧であった。

恐らく、相当にボクが不憫だったのだろう。

そして、ある一言がマイクロソフトのその女性から告げられた。

「あの・・・。どうして原稿をコンピュータ系の出版社に売り込まないんですか? 東新宿出版の名前は私も知っていますが、どう考えてもExcelの本を出すところじゃありませんよね。それに、著者に3,000冊買い取れというのは、正直申し上げて、自費出版以上に性質(たち)が悪いですよね」

ちなみに、出版社はリスクを負わずに金銭は著者に負担させ、その代わりに、書籍コードを取得して流通に乗せることだけは一応やってくれる。

この悪名高き手法は、現在は、「共同出版」と名を変えて、ますます多くの方が犠牲になっている。

コンピュータ系の出版社に直接売り込む・・・
考えてもみなかった。
しかし、もしそれが可能であれば・・・
僕の原稿も俄然息を吹き返す。

僕は、何たる遠回りをしてきたことか!
そうか!
直接、コンピュータ系の出版社に話を持ち込めばよかったのか!

そうとなれば、話は早い。
再度売り込みだ!

そのとき、興奮を隠せない僕に、マイクロソフトはコンピュータ系出版社のリストをくれた。
まだインターネットが普及していなかった時代。
本当に、どれほどこのリストに助けられたことか。

僕は、11年経った今でも、彼女の顔も名前も克明に記憶している。

今度こそ何とかなる!

しかし、どこの馬の骨ともわからぬ素人が書いたものを出版してくれる。
果たしてそんな出版社があるとみなさんは思うだろうか。
そう、お察しのとおり、答えは「ない」である。

しかし、それでも僕は、信じがたい幸運を味方につけて、この「ない」を「ある」に転換させることに成功することになるのだが、それはまた次のお話。

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2007年07月06日

「篤」が「あつし」に変わるまで(28)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●山形・・・某専門学校の教師。貴重なアドバイスをくれた恩人。実在する人物だが仮名。
●東新宿出版・・・新宿にある出版社。実在する会社だが仮名。

Episode 28

- マイクロソフトとの交渉 -

電話の主は山形さんだった。

僕は、それはそれは多くの専門学校に相談を持ちかけたのだが、すべてがすべて、僕に邪険に接したわけではなかった。
中には、親身になって話を聞いてくれるところもあった。
某専門学校の山形さんもその一人。

「昨日、書店で本を探していたときに思い付いたことがあるんです。大村さんの本を一番出版したいのは、もちろん他ならぬ大村さんですがExcel VBAの本が発売されたら、大村さん同様に喜ぶところがほかにもあると思いませんか?」

「私同様に喜ぶところですか? さぁ、皆目見当がつきませんが・・・」

「じゃあ、ずばり言いましょう。マイクロソフトですよ」

「マイクロソフト!?」

確かに、Excelはマイクロソフトの製品だ!

ちなみに、ご存じない方に説明すると、96年当時は、まだまだExcelのシェアはそれほど高くなく、Lotus1-2-3という表計算ソフトを使っている人が多数いた時代である。

Excel VBAの本が発売されるということは、ある意味、マイクロソフトの製品を勝手に宣伝してあげているに等しい行為だ。

それなら、3,000冊の購入代金、七百五十万円をマイクロソフトに負担してもらうことも可能ではないか。
そうなれば、東新宿出版から本を出すことも自動的に再び可能な話となる。

そうか。
探すべきだったのは本を買ってくれるところではなく、それが出版されれば僕同様に喜び、そして、ある意味、一番得をするところだったんだ。

よし、攻めてみよう!
マイクロソフトを!

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2007年07月04日

「篤」が「あつし」に変わるまで(27)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●青森・・・東新宿出版の編集長。実在する人物だが仮名。
●東新宿出版・・・新宿にある出版社。実在する会社だが仮名。

Episode 27

- ジ・エンド -

「成功する秘訣?それは成功するまでやめないことだ」

僕の座右の銘であるが、今回ばかりはもう万策尽き果てた。
これ以上何をどうしろというのだ。

東新宿出版には、「出版断念」の電話を入れよう。
そして、また開発の日々に戻ろう。
そう、この数ヶ月のことは何もなかったことにすればいい。
そして、また一から本業の開発で頑張ればいい。
ただそれだけのこと。

「そうですか。断念なさいますか」

「はい。とても3,000冊売りさばくなど無理な話です。心当たりをどれほどあたっても、そんな販売ルートは見つかりません」

もう終わった話である。
僕は、淡々と出版断念の意思を青森編集長に電話で伝えて受話器を置いた。

その翌日。
さぁ、今日からはまた開発で頑張ろう。
正直なところ、心機一転とはいかないが・・・
そう。
まだ、心のどこかで引きずっている。
かといって、いつまでも固執しているわけにもいかない。

朝食を終えて、その日の空とは違ううす曇りのような気持ちのままパソコンの電源を入れたとき、電話が鳴った。

今にして思えば・・・それは、運命の鐘の音だった。

⇒ 第28話へ

2007年07月03日

『エブリ リトル シング』、15万部を突破しましたm(_ _)m

つい先日、『エブリ リトル シング』が10万部を超えたことをこのブログに書かせていただきましたが、本日は7月3日、『エブリ リトル シング』の発売日からちょうど2ヶ月にあたります。

そして、節目となる本日、『エブリ リトル シング』が15万部を突破しました。

まったく実感が湧かないのですが、実感できる数少ない方法として、紀伊國屋のホームページがあります。

⇒ http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4777106160.html

上記のページで、右側の「各店在庫案内」を見ますと、在庫のなくなった店が次々に姿を消していっています。

また、在庫のある店でも、「MAP」をクリックして陳列場所を確認すると、次々に、各店舗が「在庫僅少」に変わっていきます。

今朝の段階で潤沢に在庫があったにも関わらず、ほんの半日で売り切れ始めているわけですが、きっと、全国の書店でこのような現象が起きているのでしょう。

売り切れというのは、とんでもないチャンスロスですので、書いた本人にとっては胃に穴があく思いですが、デイリーの機会損失はウィークリーで、ウィークリーの機会損失はマンスリーで補うのがマーケティングと営業のいろはの「い」です。

ここは、出版社が頑張って巻き返してくれることを期待しつつ、20万部突破の次なる朗報を待ちたいと思います。