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「篤」が「あつし」に変わるまで(28)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●山形・・・某専門学校の教師。貴重なアドバイスをくれた恩人。実在する人物だが仮名。
●東新宿出版・・・新宿にある出版社。実在する会社だが仮名。

Episode 28

- マイクロソフトとの交渉 -

電話の主は山形さんだった。

僕は、それはそれは多くの専門学校に相談を持ちかけたのだが、すべてがすべて、僕に邪険に接したわけではなかった。
中には、親身になって話を聞いてくれるところもあった。
某専門学校の山形さんもその一人。

「昨日、書店で本を探していたときに思い付いたことがあるんです。大村さんの本を一番出版したいのは、もちろん他ならぬ大村さんですがExcel VBAの本が発売されたら、大村さん同様に喜ぶところがほかにもあると思いませんか?」

「私同様に喜ぶところですか? さぁ、皆目見当がつきませんが・・・」

「じゃあ、ずばり言いましょう。マイクロソフトですよ」

「マイクロソフト!?」

確かに、Excelはマイクロソフトの製品だ!

ちなみに、ご存じない方に説明すると、96年当時は、まだまだExcelのシェアはそれほど高くなく、Lotus1-2-3という表計算ソフトを使っている人が多数いた時代である。

Excel VBAの本が発売されるということは、ある意味、マイクロソフトの製品を勝手に宣伝してあげているに等しい行為だ。

それなら、3,000冊の購入代金、七百五十万円をマイクロソフトに負担してもらうことも可能ではないか。
そうなれば、東新宿出版から本を出すことも自動的に再び可能な話となる。

そうか。
探すべきだったのは本を買ってくれるところではなく、それが出版されれば僕同様に喜び、そして、ある意味、一番得をするところだったんだ。

よし、攻めてみよう!
マイクロソフトを!

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