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「篤」が「あつし」に変わるまで(29)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●山形・・・某専門学校の教師。貴重なアドバイスをくれた恩人。実在する人物だが仮名。
●東新宿出版・・・新宿にある出版社。実在する会社だが仮名。

Episode 29

- マイクロソフトとの交渉 -

今にして思えば、なんとも無茶な交渉だっただろう。

マイクロソフトに出向いたボクは、Excel VBAの本を出版するためには七百五十万円が必要であること。
そして、Excelはマイクロソフトの製品なのだから、その金額を負担して欲しいとマイクロソフトに願い出た。

本来なら門前払いされても仕方のない厚顔無恥な依頼である。

しかし、マイクロソフトの対応は本当に丁寧であった。

恐らく、相当にボクが不憫だったのだろう。

そして、ある一言がマイクロソフトのその女性から告げられた。

「あの・・・。どうして原稿をコンピュータ系の出版社に売り込まないんですか? 東新宿出版の名前は私も知っていますが、どう考えてもExcelの本を出すところじゃありませんよね。それに、著者に3,000冊買い取れというのは、正直申し上げて、自費出版以上に性質(たち)が悪いですよね」

ちなみに、出版社はリスクを負わずに金銭は著者に負担させ、その代わりに、書籍コードを取得して流通に乗せることだけは一応やってくれる。

この悪名高き手法は、現在は、「共同出版」と名を変えて、ますます多くの方が犠牲になっている。

コンピュータ系の出版社に直接売り込む・・・
考えてもみなかった。
しかし、もしそれが可能であれば・・・
僕の原稿も俄然息を吹き返す。

僕は、何たる遠回りをしてきたことか!
そうか!
直接、コンピュータ系の出版社に話を持ち込めばよかったのか!

そうとなれば、話は早い。
再度売り込みだ!

そのとき、興奮を隠せない僕に、マイクロソフトはコンピュータ系出版社のリストをくれた。
まだインターネットが普及していなかった時代。
本当に、どれほどこのリストに助けられたことか。

僕は、11年経った今でも、彼女の顔も名前も克明に記憶している。

今度こそ何とかなる!

しかし、どこの馬の骨ともわからぬ素人が書いたものを出版してくれる。
果たしてそんな出版社があるとみなさんは思うだろうか。
そう、お察しのとおり、答えは「ない」である。

しかし、それでも僕は、信じがたい幸運を味方につけて、この「ない」を「ある」に転換させることに成功することになるのだが、それはまた次のお話。

⇒ 第30話へ



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コメント

先生最高です♪

頑張って下さいね!!

>先生最高です♪
>頑張って下さいね!!

ありがとう!

頑張ります\(^o^)/

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