「篤」が「あつし」に変わるまで(30)
主要登場人物・団体
●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●エーアイ出版・・・僕がデビューを果たした出版社。もちろん実在する。
Episode 30
- 悔し涙 -
この物語りも、いよいよ終盤に差し掛かっている。
ご存知の方もいらっしゃると思うので結論を申し上げるが、『Excelマクロで作る販売管理』と題した僕の原稿は、最終的にはエーアイ出版より『Excel95で作るVBAアプリケーション -VBAで作る販売管理システム-』という絶妙のネーミングを頂いて、発売されることになる。
しかし、エーアイ出版にたどりつくまでに、僕は結局、門前払い同様の扱いを何回も受けることになる。
ただ、さすがに、僕の「門前払い」ストーリーも食傷気味の方が多いであろうと推察される。
そこで、1社だけ、今なお忘れることのできない「あの対応」を記すに留めたい。
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「うーん。何とも言えませんが、話しを聞く限り検討の余地はありますね。では、履歴書と企画書をFAXで送ってください」
言葉使いは丁寧だが、何ともとげとげしい話し方の某社の編集者・・・。
もっとも、何社も出版社を回ったり、また電話してみて、この程度の対応にはすっかり慣れてはいるが。
「はい。かしこまりました。それから、完成している原稿はいかがいたしましょうか?郵送いたしましょうか?」
時代は1996年の春。
まだまだE-Mailで原稿を送るなど一般化していない時代である。
「原稿?悪いけど読んでる暇はありませんね。企画書だけで結構です。それで売れる本になるかどうかわかりますから」
「はい。かしこまりました。ただ、一つだけお願いがございます。企画が通った場合はもちろんですが、落ちた場合でもご連絡をいただけますか? 結果がわかりませんと、『次のアクション』が起こせませんから」
「次のアクション」とは、言うまでもなく、別の出版社に間髪いれずに企画を持ち込むことである。かれこれ3ヶ月もこのようなやりとりをいろいろな出版社としていたため、ロスは限りなく少なくしたかった。いや、少なくしなければならなかったのだ。
「いや、2~3日で結論は出ますよ。そうしたら、すぐに連絡します」
しかし、1週間待っても連絡が来ない。
業を煮やした僕が電話してみると・・・。
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