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2007年08月29日

「篤」が「あつし」に変わるまで(39)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●エーアイ出版・・・僕がデビューを果たした出版社。もちろん実在する。

Episode 39

- エピローグ -

随分と長く続けてきたこの『自伝』も、そろそろ終わりに近付いてきた。

僕は、かなり昔になるが、あるサイトで「本と書店と車と涙」というエッセイを寄稿した。

ついに発売された処女作、

『Excel95で作るVBAアプリケーション(VBAで作る販売管理システム)』

このときの僕の浮かれぶりは、この「本と書店と車と涙」をお読みいただければ、おわかりいただけることと思う。

このエッセイは、後日、番外編として紹介させていただくこととして・・・

今でこそ、個人でホームページを運営したりメールマガジンを発行していたらそれが編集者の目にとまって、いきなり書籍デビュー、なんて話もあるようだが、インターネットのなかった当時は、雑誌で記事執筆を経験してから書籍デビューというレールがあった。

そう考えると、いきなり書籍デビューを果たした僕の経緯は極めて珍しいと言える。

しかも、そのデビュー作は、当時のExcel VBA人口を考えると出来過ぎ、とも言える2万部を売り上げ、7刷まで版を伸ばした。

不運の連続のように思われた半年間であったが、実は、そのすべてが土壇場の逆転劇を生む下地であった。

本当に感慨深い半年間・・・

この時に僕が学んだのは、不運や不幸を嘆き悲しむのは仕方のないことだが、絶対にやけになったり、あきらめてはいけないということだ。

「神様は、乗り越えられない試練は与えない」という。
そう、そのときは不幸だと感じても、乗り越えたときに、実はそれが幸運へのプロローグだったことに気付く。

人生、そんなことも少なくないのではないかと思う。

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2007年08月27日

「篤」が「あつし」に変わるまで(38)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●エーアイ出版・・・僕がデビューを果たした出版社。もちろん実在する。

Episode 38

- 篤をあつしに変えたとき -

友人は、食後のコーヒーを飲みながら、「篤」でいいじゃないか、とあくまでも本名説を主張する。
う~ん。
そこまで言うのなら・・・。

友人の言うとおり、一生で最初で最後の晴れ舞台だ。
思い切って本名にしてしまおうか。

結局、その日は結論は出なかったが、翌日書店でパソコン書籍の著者名を徹底的に調べていて、僕はある事実に気がついた。

そう!
ひらがなやカタカナの著者名が一つもないのだ!

その瞬間である。
「篤」が「あつし」に変わったのは。

「あつし」であれば、音声にしたときには本名である。
しかし、見たときには・・・
何とも字が丸くてかわいらしいではないか!
もう、頬擦りしたいくらいである。

この、漢字だらけの著者名の中に、もし「あつし」とあればきっと目立つぞ!
となれば、僕の本を読んでくれた方は、書名だけでなく、著者名も覚えてくださるかも知れない。

もしそんなことになれば、それだけでも生まれてきた甲斐があるというものだ!

この日この瞬間から、僕は「大村篤」ではなく「大村あつし」として新しい人生を歩むこととなった。

しかし、こんなに長い付き合いになろうとは・・・

今では「篤」という文字に違和感を覚えるほど「あつし」という文字に愛着を感じている自分がいる。

さて、肝心のデビュー作であるが、いよいよ発売日が近づいてきた。

ただし、それは次回のエピローグでのお話。

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2007年08月20日

「篤」が「あつし」に変わるまで(37)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●エーアイ出版・・・僕がデビューを果たした出版社。もちろん実在する。

Episode 37

- 篤をあつしに変えたとき -

しかし、僕にはもう1つ、親から授かった大切な贈り物、そう「本名」というものが当然ある。

このときの僕は、その後自分が本を量産するプロのライターになろうとは想像だにしていなかった。
自分の人生で最初で最後の著作である。
そう思っていた。
だからこそ、悩みに悩んだ。
さて、どうするべきか。

一度きりの思い出なのだから本名にするべきだ、と食事を口に運びながら友人は主張する。

「いや、なにかこう、ぐっとくるような、何と言うか、まぁ、こう、覚えやすくて、それでいて、丸みのあるというか柔らかみのあるというか、そんなペンネームがいいが、確かに本名も捨てがたい」

僕の主張は支離滅裂だ。

待てよ・・・.
「大村」は誰でも読める平易な漢字だし、丸みはないが少なくとも覚えにくいことはない。
それに、苗字も名前も丸かったら、かえって逆効果のような気がする。

苗字くらいは多少角張っているほうがいいだろう。
そう思った瞬間、ペンネームの苗字は「大村」に決定した。
この点には迷いはなかった。

では、名前はどうする?
本名の「篤」は、読めない字ではないが、「大村」のような覚えやすさがない。
要するに、画数が多すぎる、僕はそう思った。

それに、丸みという点でも不合格だ。
直線ばかりで、「大村」以上に威張ってるではないか。

⇒ 第38話へ

2007年08月15日

NHKラジオに出ます

8月19日(日)、午前7時38分からNHKラジオ第1、「日曜あさいちばん」に出演します。

今回は生ではなく収録だったのですが、正直、これまで受けてきたインタビューの中では、もっともしどろもどろのボクのインタビューが聞けますよ(笑)

凄いリサーチ力というか、思いもかけない質問の連続で、インタビュー慣れしているつもりだった自分の自信はいとも簡単に打ち砕かれました。

もっとも、それがNHKの狙いだったようですが(^^ゞ
とにかく、飾りではなく、本音を引き出したかったとのことです。

また、NHKですので、「エクセル」という商標登録されている名前や「マイクロソフト」という会社名を出していいのかなど、普段は気を配る必要のないことまで頭の片隅にありましたので、それも、あまり上手に受け答えが出来なかった一因です。

いずれにしても、

「上手にインタビューに答えられなくても、それも含めてボクの個性」

です。

興味のある方は、8月19日(日)、午前7時38分からのNHKラジオ第1、「日曜あさいちばん」にて「大村あつしの個性」に触れてみてください!

2007年08月10日

「篤」が「あつし」に変わるまで(36)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●エーアイ出版・・・僕がデビューを果たした出版社。もちろん実在する。

Episode 36

- 篤をあつしに変えたとき -

学生時代にアルバイトをしていた「すかいらーく」で、僕と友人は食事をしながら頭を悩ませていた。

『Excelマクロで作る販売管理』のゲラのチェックは終わった。

残る作業はあと2つだけ。

1つは、本のタイトルを決めること。

しかし、出版業界と接点を持つようになって初めて知ったが、技術書やビジネス書のタイトルは、基本的に出版社が決めるというのが通例であった。
つまり、この作業に関して僕は無関係である。

もう1つは・・・
そう、ペンネームである。

「ペンネーム」

何とも心地よい響き。

本を書いた人間にしか与えられない神様からの大切な贈り物。

僕の「ペンネーム」に対する思い入れは、それほど強いものであった。

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2007年08月09日

cancamに広告?

先日、友人からメールがありました。

「cancamに『エブリ リトル シング』の広告が出てましたよ。
あれ、高いんですよね?」

ボクは ??? 状態です。
cancamに『エブリ リトル シング』の広告が出るなんて話、聞いていませんでしたから。

で、生まれて初めてcancamを買ったのですが、凄い情報量ですね。
一体、どれだけの人数が関わっているのでしょうか。

それに、もう、分厚い雑誌丸々、エビちゃんとか山田優ちゃんだらけ。
これは、ファンの方には垂涎ものでしょうね。

と、話はそれましたが、やはり広告ではありませんでした。
ボクの友だちが勘違いしたのは、「読モ」(読者モデル)のお勧めページがあって、そこで、梅野舞さんという読モが、大好きな本として、『エブリ リトル シング』を紹介してくれていました。

梅野舞さん、ありがとうございます!

ちなみに、丸の内線には、現在、広告が出ています。

marunouchi.jpg

2007年08月07日

ダ・ヴィンチに掲載されました

davinch.jpg


丸々一冊、さまざまな本を紹介する雑誌としてお馴染みの『ダ・ヴィンチ』

この中に、

「ヒットの予感」
「ヒットの秘密」

という人気コーナーがあるのですが、その「ヒットの秘密」として拙書、『エブリ リトル シング』が紹介されました。

それが冒頭の写真です。

カラーの見開き2ページなのですが、ボクのスキャナでは1ページしかスキャンができませんでした。

アマゾン順位は落ち着いているのにベストセラー。

不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、どうやら小説とアマゾンはあまり親和性が高くないようですね。

特に、配送料が無料にならない1,500円未満の本では、この傾向は顕著のようです。
(書店で買った方が300円近く安いわけですから)

考えてみれば、ボクも、好きな作家でない限り、小説をアマゾンで買うことはほとんどありませんね。

書店で、カバーの質感を楽しんだり、最初の数ページを読んで購入しています。

実際に、リアル書店での売れ行きは好調のようで、それが15万部という数字に表れているのでしょう。

いずれにしましても、小説デビュー作(ちなみに、最近は「処女作」というのはマスコミによっては不適切用語に指定されているそうです)で、あの『ダ・ヴィンチ』で2ページの特集を組んでいただけたのは、本当に光栄です。

素直に「嬉しい!」の一言です(*^^*)

2007年08月06日

「篤」が「あつし」に変わるまで(35)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●エーアイ出版・・・僕がデビューを果たした出版社。もちろん実在する。

Episode 35

- 二重の幸運 -

「自分の会社にジャッキー・チェンの映画のタイトルを付けるなんて。この人『も』相当なジャッキー・チェンのファンに違いない」

その瞬間、それまでは気にも留めていなかった企画書がその人には無性に気になる存在となった。

「ジャッキー・チェンのファンがどんなことを考えたんだろう」

「ん?『Excelマクロで作る販売管理』? 普通、販売管理を作るならAccessでしょう?」

「でも待てよ。ExcelもVBAを積んで、マクロも進化しているはずだ。もし本当にそんなことが可能なら、これは画期的な本になるぞ」

「だけど・・・。可能かどうか、この企画書だけでは保証はない」

「いや。この人は『例外』だ!『素人』とはいえ、ここにすでに完成した原稿があるじゃないか!」

そう。
むかしむかし、品川出版の福島社長に騙されて原稿を完成させてしまったあの不運がこの瞬間幸運に転じたのだ。

そして、原稿を持ち込んでから3週間後、いくたびもの会議をパスしてついに僕は吉報をもらうこととなる。

「大村さん、例の企画、会議を通りました。出版させていただきます」

95年11月に原稿を完成させてから、実に7ヵ月後のことであった。

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2007年08月02日

「篤」が「あつし」に変わるまで(34)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●エーアイ出版・・・僕がデビューを果たした出版社。もちろん実在する。

Episode 34

- 二重の幸運 -

今から話すことは、信じがたい、しかし紛れもない事実である。
もっとも、この裏事情を知らされたのは、エーアイ出版から本が出版された後、正確には、本の売れ行きがすこぶる好調で、2冊目の執筆依頼が来たときであったが・・・

僕の持ち込んだ企画書と原稿は、1週間、編集長の机に放置されていた。
持ち込まれてすぐに「出版不可」では、あまりに僕に対して気の毒だと思ったのだろう。

補足しておくと、持ち込んだときには編集長は不在であった。
僕は、決断する立場にないアルバイトに、事情を簡単に説明して手渡してきただけである。

かと言って、エーアイ出版の長い社歴の中で、過去に著作物のない「素人」の持ち込み企画を出版したことは、編集長の記憶では一度もないそうだ。
すなわち、遅かれ早かれ僕の元には「出版不可」の連絡が入り、企画書と原稿はゴミ箱行きの運命だったわけだ。

ちなみに「出版不可」の連絡さえしてくれない出版社もいくつもあった。
そうした意味では、「検討した上での結論」という、僕が納得のいく状況を1週間という空白期間を置くことで作り上げ、その上で連絡を下さる手はずだったエーアイ出版は、非常に良心的であると今でも心の底から感謝している。

僕は、原稿を持ち込んだ日に、エーアイ出版の編集部のロッカーや壁にジャッキー・チェンのポスターが何枚も貼られていることには気付いていた。
しかし、もちろん、誰が貼ったのかまでは知る由もない。

一方、そのポスターを貼った張本人は、収穫のなかった企画会議の後で、アルバイトから渡された自分の机の上の出版する予定のない「素人」の持ち込み企画書にふと目を落とした。

「そろそろ彼には連絡を差し上げなければ気の毒だ」

しかし、その目に最初に飛び込んできたのは、

『Excelマクロで作る販売管理』

という原稿の仮題ではなく、企画書を書いた人物が経営する会社名であった。

⇒ 第35話へ